当ファンサイト(以下「FS」)の今後の運営方針についてです。
ここ最近の、国内SCP_Foundationコミュニティに、"軋み"を感じているメンバーにこそ、読んでいただきたい内容です。
先日、フォーラムディスカッションに下記コメントを致しました。
http://scpjp-fansite.wikidot.com/forum/t-1787747/scp-1000-jp#post-2571011
内容としては、「本件については、サイトルール違反ではなく、スタッフとしての対応は取らない」という物です。
しかし1点、この件に関して特殊な点であり、今後対応を考える必要を感じたのは、
本件が、日本の創作界隈での"常識・マナー"と、海外発であるSCP_Foundationでの"常識・マナー"が、
かなり異なったものである為に発生した、価値観のすれ違いであるように見受けられる点です。
SCP_Foundationでは、作品に対する感想はサイトルールで規定され、酷評も含め自由となっています。
また、積極的な意見の発信が、尊ばれる文化を持っています。
これは、より洗練された作品を作り、サイトのクオリティを保つ為に考えだされたルールです。
逆に、日本の創作界隈、特にイラストでは、頂いたイラストに対し批評をする事は、不文律で避けられ、場合によっては半ばタブー視されている事もあります。
これは、無用な衝突や、いわゆる"ジャンル萎え"を避ける為に生まれた、経験から根付いた文化だと思います。
どちらにも、理由があり、歴史と文化があります。これは、互いに尊重されるべき事柄です。
このような、異なる文化的背景を持ったメンバー間のすれ違いは、これまでもしばしば見受けられた現象です。
しかし、日本支部のサイト上だけでも、開設からメンバーが圧倒的に増え、それに伴い外部で活動されている方も増えてきている現状で、
この「すれ違い」は、もはや看過すべきではない所に来ていると、私は考えています。
特に、記事創作者と、ファン活動者が、密に混在する当FSでは、大きな課題となるでしょう。
今後、当サイトの運営において、この「すれ違い」を埋め合わせる施策が、必要になると思っています。
また、方向性としては、サイト上で批判を受ける側の姿勢について、改善していく物になると思います。
これはひとえに、外部のハンドリングは、現実的に不可能な為です。
この議論は、本件からは逸脱します。ですが、飛躍であるとは考えていません。
現在、FSスタッフ内で話し合い、下記見解にまとまりました。
「"財団側"の感覚」と「"一般ファン側"の感覚」の「すれ違い」
→ FSとして、"常識・マナー"の差による、無用な衝突や活動停滞の回避を目指します。
「"財団側"の感覚」について
評価・ディスカッションシステムが導入されており、あらゆる視点・立場からの評価、マイナス方向の評価も許可されています、
作品に対する感想はサイトルールで規定され、ルールに則る限り、酷評も含め自由です。それ自体は個人攻撃ではありません。
但し、スタッフが過度に攻撃的と判断すれば、仲裁が行われます。一度スタッフにご相談ください。
総括として、SCP_Foundationは、積極的な意見の発信・受容が、尊ばれる風土となっています。
「"一般ファン側"の感覚」
他者作品に対し批評をする事は、不文律で避けられ、場合によっては半ばタブー視されている事もあります。
これは、無用な衝突やいわゆる"ジャンル萎え"を避ける為の、経験的な文化です。
FSとしての、基本的な立場
FSの立場は、「"財団側"の中で、最もファン寄りの場所」であると、認識しています。
どちらにも、理由があり、歴史と文化があります。双方の"感覚"は、互いに尊重されなくてはなりません。
そこでFSでは、あくまでSCP_Foundationの枠組みの中で「すれ違い」が無くなるよう、双方のバランス調整を図ります。
今後の対応方針
- 「財団側の感覚」の、周知を図ります
- クオリティコントロールは、確実に維持します
- 評価周りの新設や整備を行います。
「一般ファン側」からの懸念として予想される点
- 無用な衝突
- いわゆる"ジャンル萎え"
上記内容に含まれる懸念点「無用な衝突」「いわゆる"ジャンル萎え"」についての見解を述べます。
これは、FSスタッフ内で共有されたものです。
- 「無用な衝突」
- あらゆる視点・立場での意見が許容され、受容されます。
- 批判を受ける際は、人格に対する攻撃ではなく、品質向上を意図したものとして、まず捉える必要があります。
- 過剰に攻撃的な批判であれば、スタッフがサイトルールの下に、対処します。まずはPMか、正規手順で発議してください。
- 完全に拒否を示す批判であっても、価値を認め、軽んじて無視しないよう、サイトメンバーに望みます。
- 「作品」に対する批判、特にイラストは、作業工数の都合で改善が難しい事も多い為、必ずしもその作品で反映する必要はありません。
- 可能であれば、作業前時点に、下書きスレッド等で意見を集めたほうが、効率は良くなるでしょう。
- 「公開済み作品の転載」でも、改めて評価を受けます。心配であれば、下書きスレッドで相談してみてください
- 「いわゆる"ジャンル萎え"」
- SCP_Foundationは、極めて多用な価値観を内包するコミュニティです。
- 多様な価値観を持つコミュニティでは、相違点の解決策を探し、より良い状態を目指す姿勢こそ、コミュニティ全体としても有益なものです。
- 多様なメンバーの受け入れ、その支援、その能力を存分に発揮できるコミュニティであり続ける為、メンバー間で、価値観が互いに尊重されている状態が必要です。
- 画一的なコミュニティになると、斬新なアイデアの喚起や、新しい価値観・能力を持つ新規メンバーの獲得は、非常に困難な物となります。これは、致命的な状態です。
- "財団側"と"ファン側"の混在する、まさに中間地点であるFSとして、「多様性の許容」こそ、最低限の共通認識として、サイトメンバーに求めるものです。
1. 無用な衝突
SCP_Foundationでは品質向上の為、あらゆる視点・立場での意見が許容され、メンバーはそれを受容する事が、ルールです。
また同時に、不必要に攻撃的な批判や議論は禁止され、建設的な議論が推奨されています。
これらは、SCP_Foundationの、サイト上での基本原則であり、守らなくてはならない物です。
また、「非建設的な意見だ」と思っても、相手は「建設的な意見である」と思って行動している場合が殆どでしょう。
そのため、作品に対する否定的な評価が攻撃的だと感じても、人格に対する攻撃ではなく品質向上を意図したものとして、まずは捉える必要があります。
否定的な評価は、得てして攻撃的ニュアンスが入る事がありますが、上記理由から、受け手としては冷静に受け取るべきです。
なお、それが「不穏当」であるかどうかは、サイトスタッフが判断・決裁権限を持っています。混乱を避けるにも、一般メンバーには、冷静かつ穏当な対応を求めます。
もし気になるようであれば、スタッフへのPM、またはルールで定められた正規手順を通し、発議してください。
「全く受け入れられない」という意見に対しては、例えば、まずは「そうか、君はそう思うのか、自分とは違う考えだが、意見として尊重しよう」と受け取る必要があります。
つまり、「私は私の考えを尊重するが、貴方が批判する事もまた、私は尊重する」が基本的な受け取り方であるべきです。
なお、ここでの「尊重」とは、「価値を認め、軽んじて無視しないこと」です。対義は「価値を認めず、軽んじて無視する事」となります。
ただし、「作品」、特にイラストに対する批判は、完成した作品である場合、それ以上の改善は困難がつきまといます。
個々は、通常の施策や運営等への批判と、大きく異なる点です。
そのため「作品」への批判は、意見としては受け入れつつも、作品への反映・改変は見送った方が、品質を保つ事が出来る場合も多いのが事実です。
妥協を重ねて駄作にしてしまうぐらいなら、改変せず″最高の状態″を保つべきでしょう。万人受けするものを作る事は、優先される目標ではありません。
可能であれば、「作品」としての完成前に、下書きスレッド・ブレインストーミング等で、精度を高めていくべきです。
特に、イラストや企画等の場合、作業開始前に、アイデア時点で意見を集めた方が、効率的です。
なお、勿論ながら、相手の批判内容を取り込んで、更に品質が向上するのであれば、それは積極的に取り込むべきでしょう。
また、SNS等で公開した作品のまとめ等、「公開済み作品の転載」を行う場合でも、評価の対象となります。
既に外部で反応を得られているとは思いますが、もし心配があれば、下書きスレッドで転載の是非を問う事を、推奨致します。
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2. いわゆる"ジャンル萎え"
SCP_Foundationは、″創作″に慣れ親しんでいる人も初めての人も、年齢層も、出自も、何もかもバラバラな、極めて多様な価値観を内包するコミュニティです。
多様な価値観を持つコミュニティにおいては、相容れないものをただ突き返し、自分の価値観を守るのでは無く、
相容れない物との″ズレ″の解決策を探し、より良い状態を目指す姿勢が、一番建設的で、コミュニティ全体としても有益だと思います。
そのため、「互いの価値観を尊重しながら、有益な意見交換をし、より良い作品を作りつつ、受け手としても楽しむ」という考え方・姿勢が、重要な物になります。
個々の活動は、個人的な動機に基づくものであるため、「来る者拒まず、去る者追わず」が基本原則ですが、
画一的でない、多様なメンバーの持続的な受け入れと、その活動の支援、そしてその能力を存分に発揮できるコミュニティであり続けるために、
大前提として、メンバー間で、価値観が互いに尊重されている状態が必要です。
画一的な価値観のコミュニティになってしまえば、斬新なアイデアの喚起や、新しい価値観・能力を持つ新規メンバーの獲得は、非常に困難な物となるでしょう。
それは、シェアード・ワールド型の共同創作コミュニティとして致命的であり、なんとしても避けなくてはなりません。
日本支部とファンコミュニティの中間存在である、FSのサイトスタッフの立場から、
この「多様性の許容」こそ、最低限の共通認識として、サイトメンバーに求めます。
今後、上記の運営方針で、FS内での施策の検討・実施準備を進めます。
現在、上記をまとめたガイド作成、運営方針のFSスタッフ内での共有・確認等を行っています。
なお、本提案主は、私ikr_4185であり、実施も私が主に進めています。
「価値観の相違による摩擦」は、SCP_Foundationに限らず、広くコミュニティでは常に見られる現象であり、
文化そのものの仲裁であるため、本件は、非常に時間の掛かる施策になることが予想されます。
FSはまだ小さな規模であり、この施策の効果や、影響規模も大きくはならないかもしれません。
しかし、ファンコミュニティの1つとして、「多様な価値観の受容、批判の受け入れ方」について、議論・発信していく意義はあると、私は考えています。
特に、SCP_Foundation日本支部は3年目という節目を迎え、今後もメンバーの増加が見込まれる今だからこそ、重要視されるべき事柄だと思います。
なお、本件についてのご意見は、本スレッド内で承ります。
オープンな議論の場としても、ご活用頂ければと存じます。
引き続き、当サイト「SCP-JP非公式ファンサイト」を、宜しくお願い致します。
Ikr_4185