波戸崎研究員の年末
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波戸崎研究員は、年の暮れに電車に揺られていた。財団の忘年会から抜け出し、一人実家への帰路についているのだ。

乗客はもう自分一人だけしかいない。皆誰かと共に新年を祝おうとしているだろうなと考え、孤独感がより強くなった。全てを考えるのが億劫になり、僕は目を閉じ、眠ることにした。

気がつくと、もう終点に着いていたようだ。僕は電車から降り駅名を探すが、どこにも見つからない。それどころか、中洲型の駅には、どこにも出口、改札などが見当たらなかった。「SCP-023-JP」、代表的な収容不可能型SCPとして、財団の講義で聞いた記憶がある。

あぁ、この大晦日に、僕はたった一人でここで息絶えるのか。そう考えると、無性に温かい蕎麦が食べたくなってきた。年越し蕎麦を食べない大晦日は生まれて初めてだった事に気がついたからだ。
ふと、駅構内にさっきまで無かったはずの立ち食いそばの店舗が出現していた。

どうやら、その店は営業しているらしい。あぁ、これは神様、いやSCP-023-JPが最後の晩餐を用意してくれたのか?あり得ないと思いながらも引き寄せられるようにその店に入る。

中には、黒い影のような店員が一人いた。蕎麦でなくても何でもいい、何か食べたい。そう思って店員に注文をしようと、壁にかかったお品書きを見る、しかし、そこにはただ1つのメニューしか書かれていなかった。

頑固オヤジのバリカタラーメン

ss
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