純白の羽のプレゼント
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…誰かがを呼んでる。

「Jingle bells, Jingle bells, Jingle all the way」





僕が目を覚ました時、最初に出会ったのは少し変な恰好をした大人たち。

あれ、君が僕のことを呼んだの?まぁ別にいいや。なんたってクリスマスは、子供たちのためだけに存在してるんじゃあないんだからね!

「メリークリスマス!!!」

僕は特に何もあげるものを持って無かったから、自分の背中から生えてる羽をプレゼントすることにしたんだ。
僕の羽はすごいんだよ?真っ白で綺麗だし、みんなが長く楽しめるように工夫してあるんだ。ほら、僕のことを呼んだあの人もこんなに楽しんでる!
ふふ、ここまで喜ばれると、僕もプレゼントした甲斐があったよ。そこで見てた人たちも、僕のプレゼント欲しくなった?あはは、遠慮なんてしないで受け止ってよ!

「メリークリスマス!!!」

あ、ダメダメ、余計な音を立てちゃ。君たちの楽しそうな声を聞くのは大好きなんだよ?もっとちゃんと聞かせてね。
そんなに慌てないで…ゆっくり僕の羽を楽しんで?

…嬉しいなぁ…。町には僕を呼ぶベルの音が溢れてる……。そんなに羽が欲しいんだね。

わかったよ、ちょっと待ってね。

耳を劈く悲鳴、自らの終わりを形容する絶叫、全てを糧に天使は急速に羽を伸ばす。その光景はもはや人類とその敵の戦ではない。この無垢で残虐な捕食者を前に、財団はただ自らの命運が喰われゆく様を傍観することしかできなかった。
音を喰らい貪り、天使は一切の音も立てずにその幾千もの白く輝く羽を伸ばす。成層圏の更に上のオーロラまで、地と水の交わる世界の彼方まで、羽は柔らかに全てを包み始めた。人々の頭上に突如現れ降り注ぐのは白く輝く新しい太陽。

さぁ、みんなに僕の羽を届けるぞ!



「メリークリスマス!!!」

ss
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